3/20(木・祝) 15:00〜17:00 「探求室・カド 真野研究室出張編」

探究室カド 真野研究室出張編!

東京科学大学環境・社会理工学院真野研究室は、地方都市を中心に、旧市街地の再生をテーマとした調査に取り組む研究室です。昨年20周年を迎えました。近年は広島県尾道市や宮城県石巻市、富山県高岡市などで空き家活用やまちの空間を活かす取り組み、東日本大震災後の復興に関わり、各地で10年以上に渡って研究活動を続けてきました。研究室出身の学生の中には、移住して活動を継続している人も。各地で生業や場づくりを通じ、「研究を社会にひらく」を実践しています。

都市の変化を100年以上の長期的な視野で捉えながら、今ここで起きている身の回りのまちの活動の価値を捉える。そのことにどのような意味があるのか、また各地の実践と研究室がどのように関わりを続けてきたのか、現在地を語っていただきます。


日時:3月20日(木・祝) 15:00-17:00 (14:30開場)

参加費:¥1000+1ドリンク (学生¥500+1ドリンク)

予約:hokancho4chomelounge.kado@gmail.com (氏名、人数を明記)

※予約なし当日参加も可能です


小暮悠 | 発表

「戦後建築ストックの暫定的活用から、オルタナティブな役割を考える」

戦後・高度経済成長期に、日本各地で都市の近代化が進み、多くの不燃建築物が建設されました。特に地方都市中心部には現在もこれらの建物が未活用のまま多く残り、中心市街地の衰退と関連づけられており、既存ストックを活用したまちづくりが注目されています。

本研究では、築60年以上が経過し老朽化や権利関係の複雑さといった課題を抱えるこれらの建築を「戦後建築ストック」と定義して、玉野市・宇野地区の事例を含む全国4都市を対象として、抜本的な解決ではなく、小規模事業者による暫定的な活用に着目しました。その実態を調査し、戦後以降の都市と建築ストックの変化を分析から、戦後建築ストックや中心市街地が持つ「オルタナティブ」な価値を考察します。

岡山県内にも残る戦後建築ストックのこれまでの歩みと、これからの都市での役割を考える機会にしたいと考えています。


真野洋介 | 講演

「『もうひとつの復興』を想い、『リカバリーのプロセスデザイン』を考える」

阪神・淡路大震災から30年、東日本大震災から14年、そして、能登半島地震から1年を迎えました。

大学生の頃から考え続けた「復興」とは何か? そしてそのプロセスはデザインされているのでしょうか?

今、私たちが迎えている災害多発の時代においても、国や自治体で決められているように見える「復興」のプロセスは限定的なものであり、「復興」という仮想の到達点を設定し、工程表を作成し、一定の合意に基づき「創造的復興」と呼ばれるプロセスを組み立てる手法も、耐用年数を迎えていると考えます。今回のお話では、阪神・淡路大震災、東日本大震災、そして能登半島地震の3つの経験を結びながら、「もうひとつの復興」を想いつつ、「リカバリーのプロセスデザイン」を考え直してみたいと思います。


ゲストプロフィール

小暮悠

東京科学大学(旧・東京工業大学) 環境・社会理工学院 建築学系都市 環境学コース 真野研究室・修士2年 

1991年埼玉県出身。二級建築士。都内の専門学校を卒業後、フィンランド・アアルト大学に科目履修生として留学。帰国後、岡山市内の設計事務所勤務、外資系家具メーカー勤務を経て、2020年に北海道に移住。カドの開業前後に知り合った真野研究室のOB・OGに影響を受け、東洋大学に社会人入学し2023年に卒業、東京科学大学(旧・東京工業大学)大学院に入学し、真野研究室に所属。2025年春に修了、博士後期課程に進学予定。



真野洋介

東京科学大学環境・社会理工学院建築学系 教授

倉敷市出身。東京理科大助手、東工大准教授等を経て2024年より現職。

歴史的市街地の再生・復興、文化芸術と地域変容等をテーマに、広島県尾道市(尾道空き家再生プロジェクト)、宮城県石巻市(ISHINOMAKI2.0)、富山県高岡市など各地で活動と研究を実践中。主な著書に「人生100年時代の都市デザイン」(2024)。「まちのゲストハウス考」(2017)など。

奉還町4丁目ラウンジ・カド

街を眺めながら、食べたり、飲んだり、話したり歌ったりする場所

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